兵庫県吹奏楽コンクール兵庫県大会
(平成13年8月9日 西宮アミティホール)
本当にたくさんのご声援をいただき、ありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
しかし、毎年発表の時の歓声は他のジャンルに劣らない爆発的なものだ。その後に湧き起こる拍手
も健闘を讃え合うもので限りなく温かい。講評を含めて審査員の方々のたいへんな責任の重さを痛感する。
発表の結果は銀賞、部員たちの夏の戦いは終わった・・・
西阪神地区大会後、気が抜けてしまった。大会が終わったようだった。いろんな行事があった。
気持ちが振り回された。体調も崩した部員もいて合奏練習に全員で取り組めたのは実を言うと、
たった2日だった・・・・・。
そして本番当日。調子は悪くなかった。ベストの演奏が出来そうだった。しかし、県大会は
地区大会と会場は同じであるものの、内容は全く違った。
バスやトラックがホール前を渋滞させ、地元の大会でないことをは明らかだった。緊張が体を走った。
時間に余裕がありすぎ、会場に入って他の団体の演奏を聴いた「みんなうますぎる、やばい」
と言う焦りが部員たちを襲った。音合わせ(チューニング)が終わってからも炎天下で10分間も
待たされた。本番のステージに入った。「吹奏楽コンクール関西大会予選」の看板が目に
飛び込んできた。とんでもない、場違いなところに立っているような気がした。この瞬間仁川学院の夏は
終わっていた。みな、落胆していた。ベストが尽くせなかった。悔しさも歯がゆさも伝わってきた。
明らかに地区大会とは違った。そして成績もそういう結果だった。
しかし、来年に夢は続いた。来年はどんな夢が待っているのだろう・・・
仁川学院の部員たちは最前列に陣取って発表を待った
演奏を終えて写真撮影、ポーズをとるも、内心は「失敗した・・・
兵庫県大会のレヴェルは高い!」という気持ちのようだった。
管楽器は最後の打ち合わせ!ピリピリしている!真剣だ!!
本番前なのに打楽器は余裕というかのんき・・・
チューニングルームで
コンクール前に打ち合わせをする
兵庫県吹奏楽コンクール西阪神地区大会
(平成13年7月27日 西宮アミティホール)
ありがとうございました。みなさんのおかげでやっと金賞が受賞できました。今後は
「地区代表に恥じない演奏を」の重責を背負って、県大会でも全力でがんばります。
ますますのご声援をよろしくお願いいたします。
金賞、地区代表受賞に大喜びの部員たち!
吹奏楽コンクール西阪神地区大会を終えて、結果発表をホールの2階で聞いていた。
僕はいつも一人で発表を聞く。そして、その後の集まりで、生徒に何て言ってあげるか
を考える。だから審査員の全体の講評から真剣に聞く。そして発表が始まる。
そばでどこかの学校の関係者が「うちはどうなるかなあ?」「大丈夫だと思うけど、
仁川学院がうまかった」「にがわ?」「ほら、芦屋南の後にやった学校や、中学生も
おる学校」「そんなにうまかった?」「うまいと思ったなあ・・・」 そんな話を聞きながら
自分の感情がなくなる。いつもそうだ。
成績発表と表彰式
最前列に陣取る仁川学院の部員たち
吉永副理事長から賞状を受ける峯健部長
階段を1階に下りると、県立西宮高校の吉永陽一先生に「本当によかったね、おめでとう!」
と握手をしたまま、手を離してもらえなかった。「今年は近畿総合文化祭まで出演するのに
それなりの成績で、強豪3校とまた一緒に出来ますかね?」というと「何を言うか!仁川は
4校合同の誉れ(ほまれ)だ!」と言われ、初めて喜びが湧いてきて、改めてホッとした。
吉永先生も本当に喜んでくれてうれしかったなぁ。ご恩返しが少しだけ出来た気分だ。
生徒たちが待っていてくれた。僕は迎えられた。顔はぐちゃぐちゃ。でもみんな本当に幸せ
そうだった。「そうや、昨年はこれがなかった、これが出来なかった。させてやれなかった。
でも、今年は違う。みんなうれしそう。よかったのか?出場できなかった生徒はどんな表情だ?
笑っている。ああよかった・・・次は君らの番やで!」僕も年をとった。
今年のコンクール練習で僕がやったことは、曲を決めたのと、メンバーを決めたのと、楽器を
買って、指揮をしたことぐらい。後は生徒がすべてやった。僕にはある作戦があった
(これは企業秘密)。一つ挙げるとすれば「生徒たちのクラブ、僕のクラブではない」と吹奏楽部に
来た郵便物は、重要なものには目を通すものの、ほとんどすべて生徒に渡した。「あとはお前らで
考えて何とかしてくれ!」頼りない顧問に生徒が奮起した。(NHK「プロジェクトX」みたいだ・・・)
金管楽器はほとんどが中学生。その中学生が朝の練習をしはじめた。今までにはなかった。
高校生が真剣に音程を合わす練習を繰り返している。僕には出来ない忍耐力だ。今までには
なかった。
パート練習をしている。今まではいい加減だった。
出欠に厳格だった。出席確認が始まると、音楽室の鍵を閉めて遅れた生徒を閉め出した。
今までにはなかった。驚いた。
生徒同士が本気で声を掛け合っている。今までにはなかった。
必死で練習する姿が目立った。今までにはなかった。
緊張感のある時期とない時期とがはっきりしていたことも今までにはなかった。これが完全に
僕にわかった。今までになかった。
コンクールに向けてどう仕上げるか、苦労をした。
みんな仲がよかった。上下関係のけじめはあまりないが、一体感は感じられた。中学1年生に
まで高校生が声をかけていた。今までにはあまりなかった。
曲のイメージで話を作っていた。生徒たちが勝手に考えて勝手に「話の通りに演奏せーよ!」
と指示していた。
僕はどんなストーリーか知らない。怖くて知りたくない。今までになかった。
僕も朝練習の時間には学校に着いていた。これも今までにはなかった。
卒業生の先輩たちが積み上げてきたこと+今までなかったことが重なり、浜口校長(神父)の
不思議のメダイ(カトリックのペンダント、祈りの対象)が加わって仁川学院は中学生と高校生が
高等学校S部門で金賞を受賞し、県大会へコマを進めた。(顧問)
よくぞ吹き抜いた、我が精鋭たちよ!
たくさんの応援に感謝いたします。ありがとうございました。
チューニングルームで(15:00頃)
積みおろし、OBの川端君、福井君が手伝ってくれた
とうとう本番当日が来た。練習から緊張気味。そこで急には無理とは思ったが教会へ行き不思議の
メダイを求めた。事務所在庫がなく、あきらめて帰りかけたとき、偶然浜口校長に出会った。そこで
コンクールとメダイのことをお聞きしたところ部員全員の分が丁度あって分けてくださった。まさに
不思議のメダイ。生徒に渡すと大変喜び、自信も湧いてきたように思えた。普段の力を発揮して
欲しい。
合奏が終わり楽器をトラックに積み込む。
いただいた不思議のメダイ。勝利者の印、月桂樹があしらわれている。
兵庫県吹奏楽コンクール西阪神地区大会会場練習
(平成13年7月25日 西宮アミティホール)
合奏が終わって・・・こんなに自由に舞台を歩けるのも今日だけ!
巨大トライアングルに挑むしーくん、重そうだね。
あさっての本番のために今日は本番と同じメニューで同じ会場を借りてリハーサルを行った。
普段練習している音楽室とも講堂とも違う響きに、始めはとまどいもあったが、4時間にわたって
練習をした結果、感覚的なものを掴み、本番へ向けていい経験となった。「来年はどうする?」
という問いにも「またやりたい!」との返事から、生徒たちにも充実した練習になったと思う。
兵庫県吹奏楽コンクール西阪神地区大会演奏順抽選会
(平成13年6月28日 宝塚勤労福祉会館 16時14分発表)
コンクールの練習もたけなわ、学校は期末試験を控えた6月28日兵庫県吹奏楽コンクール西阪神地区大会の抽選会が宝塚勤労福祉会館で開かれた。